東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県石巻市雄勝町の現状を紹介する「OGATSU(おがつ)ネットワーク新聞」を製作している愛媛県松山市船ケ谷町の元写真家岡田えり子さん(51)がこのほど、第3弾を発行した。震災を乗り越えて復活した祭りの様子や、復興に取り組む住民の前向きな姿などを伝えている。
 岡田さんは震災後、すずりや瓦に使用される雄勝玄昌石の産地として知られる雄勝町の住民らの復興プロジェクトに共感。同町に足を運んで撮影した写真や文章で構成した新聞を2014年から毎年発行し、現地や愛媛県内で配布している。
 今回は、雄勝町の白銀神社で15年5月に開かれた祭りを中心に構成。地区内外の人が一体となってみこしを巡行する姿や、津波で道具や衣装が流出しながらも震災翌年に復活した神楽を、臨場感のある写真をふんだんに使って紹介している。愛媛と宮城両県で昨年開催した雄勝玄昌石を使った作品展の模様も伝えている。
 新聞はA2判を両面印刷し四つ折りにした計8ページで、2000部発行。県立図書館や萬翠荘、松山市考古館などで配布している。